この体験談はIOL2021代表の森澤さんが書いてくれました.
執筆2021年
国際大会体験談
高校2年生です。今年が初出場でした。
言語学オリンピックには以前から興味を持っていたのですが、クラスメイトから出場に誘われたので一緒にJOLに出場することにしました。応募してから本番まではJOLのサイトに載っている過去問を解いたり、どう意識して解けば良いかを話し合ったりして過ごしていました。
1.JOL(日本予選)について
今年のJOLはそれぞれ大問2番に数に関する問題、4番に強勢位置に関する問題とといった過去にはあまり出題されなかったものが出ました。それらはどう解けばいいのかが分からず、良い解答をすることが難しかったです。全体的にみても前年より難しくなっていたと感じました。
試験後には賞を取る見込みのある人は面接を受けることになります。私はてっきりテストを受けたきっかけだったりテストがどうだったかだったりを聞かれると思っていたので直前にその受け答えの練習ばかりしていていました。実際には面接中に問題が出されてそれをその場で解くというものでパニックになった覚えがあります。そんなことがありましたが無事JOLを通過することが出来ました。
2.APLO(アジア予選)について
APLOは5時間で5問の問題を解きます。そこで過去問を解く時は時間を計るようにしていました。IOLの問題も直近3年分ほどは解いていました。
APLOで最も苦労したことといえば、JOLとは違い記述式であるということです。問われた言語のシステムをより細かく説明しなければいけないのですが、この練習をしていなかったので試験中には思った以上に時間が取られました。
3.IOL(国際大会)までの練習会
無事APLOを通過した後4月から7月までの間何回か練習会がありました。初めての顔合わせの時、ほかの代表の方が好きな語族について話していらっしゃったりすごい特技を持っている方がたくさんいたりして言語についてあまり詳しくない自分がついていけるか心配になりましたが、講師の方含めみなさん本当に優しい方で安心して練習会に臨むことが出来ました。
言語学全般の知識をほとんど持っていなかった私にとって練習会はどれも本当にためになるものばかりでした。知識だけではなく、それをどう言オリの問題に応用できるかという点を教えていただいたことが大きな学びになりました。
7月にはJoint Asian Trainingというアジア各国の合同練習会(講義?)が1週間かけて行われました。各国の言語学を専門にしている方々を教えてくださったのでどれも興味深い講義でした。特に今年は他国の方と交流する機会がなかったために日本のコーチの方が開催してくださったのですが、今年だけじゃなくて毎年開催すればいいのになあと思うほど楽しい練習会でした。
4.IOL(国際大会)について
7月中旬にIOLが始まりました。顔合わせをしてすぐ4人で集まり初めて団体戦の練習をしました。個人戦の問題とは段違いに難しく、特徴的な問題が多いのでどう解くかを考えるのがより楽しかったです。
個人戦の日は朝から一日中緊張していました。個人戦中は飲食可能なのですが、ある元代表の方が競技前にたくさんのフルーツを差し入れてくださりそのあまりの多さに驚いて緊張がいい感じにほぐれたのを覚えています。ありがとうございました。しかし、個人戦は全く歯がたちませんでした。今年の問題はオーソドックスな問題が多かったので自分の実力不足だと思っています。6時間という限られた時間の中で一定の点数をとってくる受賞者の凄さを改めて実感させられました。
団体戦の日は比較的リラックスして競技に臨めました。議論し合いながら解答することの出来るという団体戦の性質のおかげだと思います。ただこちらも例年通り問題のレベルが高く、なかなか思うように回答できませんでした。具体的には時間に対するデータや問題量の多かったり、名詞や動詞の活用が複雑だったりしたということです。
結局何の賞も取れず悔しさが残る結果となってしまいました。しかし、この数ヶ月間はとても楽しく過ごすことができ、間違いなく自分にとって良い経験になったと思います。運営してくださった方々、ほかの代表の方々、本当にありがとうございました!